楽器に触発されて
先日も書いたように、日本生まれの初期ブロードウッド社製のピアノをモデルとした楽器を弾き込んでいる毎日です。そのピアノを巡っていろいろと楽しい空想も広がります。
弦を変えるとしたら?ハンマーの当たり具合を調節したら?ダンパーのかかりを調整したい!などというアイディアも沸いてきます。
曲についてもこの楽器で弾いたらどうなるのかしら?こっちの曲はどうかしら?イギリスの曲を集めてみようかな、と新しいやる気も出てきます。(探している曲の楽譜がどうしても見つからずに焦っています。次回書きますので、ご存知の方が現れることを期待しています)
しかし、何しろこのピアノは売り物をお預かりしているので私の楽器ではありません。ですから勝手に改良することもできず順応を心掛けています。そろそろ製作者と相談してみようと思っているところですが。私が調節できる点はダンパーのかかり具合ぐらいでしょうか。(ダンパーって何?っていう方もいらっしゃるかも。何回か後にご説明します。今回はごめんなさい)
鍵盤楽器を弾き込む
3大ピアノの存在をアピールする東京都内の杉並公会堂に納入されたべヒシュタインなども、選定と弾きこみを世界的に有名な某ピアニストが行っています。出来立てほやほやの楽器は音の鳴り方が未熟なので1年やそれ以上の月日、弾きこみを依頼することがあります。楽器のご機嫌を見ながら様々な要求に応えられるよう、かなり弾き込んで鳴るように育ててあげる感じです。一人の弾き手のときもありますし複数の人の手によることもあります。
チェンバロでもできてから1年目でぐっと変わり、あとは3、4年経った時に鳴ってきたなぁと感じることが多いです。ピアノにしても弦が鳴る、木が鳴る、バランスが取れるというような感じで段階があります。
ブロードウッドピアノの音
ということで、そのブロードウッドタイプのピアノの音をお聴かせしましょう。
狭い部屋の中で小さな録音機で録っています。皆様の再生機器の違いもありますので音質は参考程度にしかなりませんが、今のピアノと大分違うことはおわかりいただけると思います。
J.L.ドゥシーク:ソナタOp.39-3.第2楽章より
生の音を聴きたい方は、是非!!2011年12月2日(金)夜に杉並公会堂にいらしてください。この楽器を使用してコンサートをいたします。そのときには今よりよく鳴る楽器に育っていることと思います。
次回、ブロードウッドピアノの中身についてお話ししようと思いますが、それも「生」なら一目瞭然なので、是非12月に体感してみてください。